精巣がんは、精巣内で異常な細胞が増殖することによって発生するがんです。
精巣は男性の生殖器であり、精子を作る役割を担っています。精巣がんは比較的若年層に多く見られるがんで、特に20代から40代の男性に多く発症します。

家族歴や遺伝子の影響が精巣がんの発症に関与することがあります。精巣がんを発症した親族(特に父親や兄弟)がいる場合、リスクが高くなることが確認されています。遺伝子の異常や家族内での発症歴が、精巣がんを引き起こす要因となる可能性があります。
停留精巣は、精巣が出生時に正常に陰嚢(いんのう)に降りてこなかった状態を指します。腹部や鼠径部に残ったままの精巣が、将来的に精巣がんのリスクを高めることがわかっています。停留精巣の状態が長く続くことで、精巣がんを引き起こす可能性が高くなるため、早期に精巣の位置を確認し、適切な治療が必要です。
生活習慣が精巣がんに与える影響も無視できません。喫煙や過度のアルコール摂取が、精巣がんの発症リスクを高めることがわかっています。また、肥満や運動不足もリスク因子となることがあります。健康的な食事と規則正しい生活を心掛けることで、精巣がんのリスクを減少させることが可能です。
精巣がんは、初期段階では目立った症状がないことが多いため、定期的なチェックが重要です。
しかし、次第に以下のような症状が現れることがあります。
精巣がんの最も一般的な症状は、睾丸内にしこりや腫れが見られることです。しこりは硬く、触れると不快感を伴うことがあります。しこりが見つかった場合は、早めに当院までご相談ください。
精巣がんが進行すると、稀に精巣に痛みや重さを感じることもあります。
精巣痛が長期間続く場合や、急激に痛みが増す場合は、精巣がんの可能性を考慮する必要があります。
精巣がんが進行すると、体重の急激な減少や疲労感を感じることがあります。これはがんが全身に広がる過程で発生し、体力の低下を引き起こすことがあります。体重減少が気になる場合や、特に明確な原因がない場合は、早めに当院にご相談ください。
精巣がんが進行した場合、リンパ節に腫れが現れることもあります。
特に、腹部や鼠径部(股の部分)のリンパ節に腫れが見られる場合、がんの転移を疑うことがあります。
精巣がんの病期は、がんの進行度や転移の有無によって分類されます。
ステージ1
がんが精巣内に限定されている状態。治療後の予後が良好です。
ステージ2
がんが精巣を越えて近くのリンパ節に広がった状態。
ステージ3
がんがさらに遠隔の臓器やリンパ節に転移している状態。
ステージに応じて、治療法や予後が大きく変わります。早期発見が重要です。
精巣がんの疑いがある場合、当院では精巣がんを早期に発見するために、さまざまな検査を行います。
精巣がんの進行度や転移の有無を把握するためには、的確な診断が重要です。
最初に、医師が患者様の症状や生活習慣、家族歴などを確認します。精巣がんのリスク要因(例えば、未降下精巣や家族にがん患者がいる場合など)を把握するために重要なステップです。また、発症に関連する症状(しこりや痛みなど)についても詳しくお伺いします。

尿検査では、尿の異常を調べます。
尿検査は、非侵襲的で簡便に実施できるため、精巣上体炎などの鑑別診断のため重要な検査です。

超音波検査は、精巣内のしこりや腫れを観察するために使用されます。痛みがなく、体への負担も少ない検査で、精巣がんの診断において最も重要な検査の一つです。精巣だけでなく腹部のリンパ転移、腎臓など転移状態などを把握していきます

血液検査では、腫瘍マーカーなどを測定します。これらのマーカーは、精巣がんの有無や進行度を評価するために役立ちます。腫瘍マーカーが異常値を示す場合、精巣がんの可能性が高まり、精巣がんの予後を判定するために重要な検査です。

精巣がんの進行状況や転移の有無をより詳細に把握するために、CTやMRIといった精密検査を外部の協力病院で行うことがあります。これにより、がんが精巣以外の部位に転移していないか、またはどの程度広がっているかを正確に把握することができます。

もし精巣がんが見つかった場合、必要に応じて提携している総合病院や専門医療機関へ速やかにご紹介いたします。治療は専門の医療機関で行われ、患者様一人ひとりに最適な治療法が提供されます。当院では、治療に関するご不安や疑問をしっかりとサポートし、紹介後も治療後の経過観察やアフターケアについてもご案内いたします。安心して治療を受けられるよう、最後までサポートいたしますので、ご安心ください。基本的には精巣がんは、緊急手術が必要となります。当日もしくは翌日には手術になりますので精巣がんと診断しましたら連携病院へ連絡し当日受診していただきます。そのため精巣がんを疑う場合食事はとらず(水分摂取は可)当院受診してください。

精巣がんを放置すると、がんが進行し、他の臓器に転移するリスクが高まります。精巣がんは初期であれば精巣を摘出するだけの2泊3日程度の治療で済みますが、放置して転移をしてしまうと、長期の抗がん剤治療と後腹膜リンパ節郭清術という侵襲性の高い治療が必要になります。治療期間も半年長ければ1年となることもあります。また生存率が下がります。
精巣がんは早期に発見すれば治療の成功率が高い病気です。当院では、定期検診と生活習慣の改善を推奨しています。
定期的な精巣の触診は、早期発見に役立ちます。15歳を過ぎた男性は自分で精巣を定期的に月1回入浴後に触診していただき、精巣にしこりや腫れを感じた場合は、恥ずかしがらずに早期に受診してください。
健康的な食事や適度な運動、禁煙、飲酒制限などの生活習慣が精巣がん予防に効果的です。バランスの取れた食事と運動を心掛け、喫煙を避け、飲酒は適量に抑えましょう。