精子に血が混じる「血精液症」とは?
精子(精液)に血が混じる症状を、医学的には「血精液症(けっせいえきしょう)」と呼びます。
ネットでは「心配いらない」と書かれることが多いですが、これは原因のほとんどが一時的な良性のトラブルで、自然に消えることが多いためです。なお、精液の色によって出血の時期がわかります。
鮮やかな赤・ピンク:比較的、新しい出血
茶褐色・黒っぽい:時間が経った、古い出血
おしっこに血が混じる「血尿」は腎臓や膀胱のサインですが、血精液症は精液の通り道である「前立腺」や「精嚢(せいのう)」のサインであり、原因となる臓器が全く異なります。
基本的には自然に治ることが多い症状ですが、すべてを放置して良いわけではありません。
なぜ精子に血が混じるのか?考えられる主な原因
前立腺や精嚢の良性の炎症
血精液症の原因として最も頻度が高いのが、前立腺や精嚢の炎症です。細菌感染などが原因でこれらが炎症を起こすと、周囲の組織が充血し、精液が分泌される際に血液が混ざり合ってしまいます。これらは基本的には良性の疾患です。
前立腺内の微小血管の破れ
特に病気がなくても、射精時の急激な圧力の変化や、擦れなどの物理的な刺激によって、前立腺や精嚢にある目に見えないほど細い血管(微小血管)が一時的に破れることがあります。健康な方でも起こりうる、いわば「鼻血」のような一時的な出血です。
初期の前立腺がん
40代・50代以降の男性で特に警戒しなければならないのが、前立腺がんです。初期の前立腺がんは自覚症状がほとんどありませんが、がん組織の増殖に伴って周囲の血管から出血し、精液に血が混じることがあります。
⇒前立腺がんページ
抗凝固薬などの服用による影響
脳梗塞や心疾患の予防などで、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬や抗血小板薬)を内服している方は、出血が起きやすく、一度出血すると止まりにくくなります。そのため、前立腺内のわずかなにじみが血精液症として現れやすくなります。
血精液症で病院を受診するべき目安
一度様子を見ていいケース
精液に血が混じったのが人生で一度きりであり、その後は通常の白い精液に戻り、排尿時の痛みや違和感なども一切ない場合です。このケースでは、微小血管の一時的な破れなど良性の可能性が高いため、しばらく慌てずに様子を見ていただいて構いません。
数日・数週間以内に受診が必要なケース
射精するたびに何度も繰り返し血が混じる場合や、数週間経っても精液の色が赤や茶褐色のままであるという場合です。前立腺の慢性的な炎症や、初期の前立腺がんなどの疾患が隠れている可能性があるため、スケジュールを調整して数日・数週間以内に泌尿器科を受診してください。
今すぐ受診が必要なケース
精子だけでなくおしっこ自体に血が混じる(血尿)、排尿時に強い痛みがある、残尿感がひどい、といった症状が重なっている場合です。これは前立腺だけでなく、膀胱や腎臓など別の深刻な病気が隠れているサインですので、ためらわずに今すぐ当院を受診してください。
⇒血尿ページ
精子に血が混じった時に当院で行う検査
尿検査
まずは基本となる尿検査を行います。尿の中に赤血球(潜血)や白血球(炎症のサイン)、細菌などが混じっていないかを調べ、膀胱や尿路に異常がないかを確認します。
超音波検査
当院に導入している超音波診断装置(エコー)を使い、下腹部などから前立腺や精嚢の形、大きさをリアルタイムで観察します。体に痛みのない、負担の少ない検査です。
PSA検査
前立腺がんの可能性を調べるために、極めて重要な血液検査です。採血により「PSA」と呼ばれる前立腺特異抗原の数値を測定し、前立腺にがんの疑いがないかを高い精度でチェックします。
膀胱鏡検査(痛みの少ない軟性鏡の検査)
出血が長引く場合や血尿を伴う場合、尿道や膀胱の内部を直接確認する膀胱鏡検査(内視鏡検査)を行います。当院では、従来の硬い金属製ではなく、細くしなやかに曲がるオリンパス社製の「軟性膀胱鏡」を導入しており、検査時の痛みを大幅に抑えることが可能です。
レントゲン検査
必要に応じて、泌尿器領域の骨や臓器の位置関係、結石の有無などを確認するためのレントゲン撮影を行い、多角的な視点から原因にアプローチします。
尿流量測定検査
前立腺の肥大や炎症によって、尿の勢いが落ちていないかを調べる検査です。専用のトイレに向かって普段通りにおしっこをしていただくだけで、排尿の状態を正確に測定できます。
精子に血が混じった時に当院で行う治療
薬による治療
前立腺や精嚢に細菌感染や炎症が見つかった場合は、原因に適した抗生物質(抗生剤)や消炎鎮痛剤などを処方します。血液をサラサラにする薬の影響が疑われる場合は、かかりつけ医と相談しながら適切な対応をとります。
経過観察
検査の結果、がんなどの重大な病気が否定され、一時的な血管の破れや軽度の充血と診断された場合は、積極的なお薬による治療は行わず経過観察とします。過度な射精や激しいスポーツをしばらく控え、自然に出血が収まるのを待ちます。
山形市で精子に血が混じってお困りの方は「かわぞえ嶋北泌尿器科内科クリニック」まで

精子に血が混じるという症状は、男性にとって非常にデリケートで、「恥ずかしくてなかなか病院に行けない」と一人で抱え込んでしまいがちです。
当院では、泌尿器科専門医が患者さんの不安な気持ちに丁寧に寄り添い、診察をおこないます。プライバシーを守る個室環境で、一人ひとりに合わせた最適な検査と治療を行いますので、どうぞ安心してお任せください。
山形市で精子に血が混じってお困りの方は「かわぞえ嶋北泌尿器科内科クリニック」までご相談ください。受診をご希望の方は、WEB予約(24時間受付)またはお電話でご予約ください。